他人の愚痴を聞くうちに、どんどん自分の心も暗くなってしまう…。
相手の何気ない言葉に傷つき、何日も悩み続けるのがしんどい…。
他人が怒られているのに、自分が怒られているような衝撃を受けてしまう…。
こんな経験はありませんか?
上記の悩みが強い人は、もしかするとHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)かもしれません。といってもHSPは病気ではなく、個性の1つ。ロンブーの淳さんがテレビで告白したことでも話題になりましたよね。
HSPさんの多くは、聞き上手です。それには繊細で敏感な感性がもたらす上手さが関係していますが、一方で、相手の負のエネルギーを過剰に受け取ってしまい心が疲弊してしまうことも。
実は、私もHSPさんなんですよね。
今回は、そんな感受性の強いHSPさんが自分らしく過ごすために、HSPである私が独自で編み出した「相手の愚痴を無理なく聞くコツ」について紹介します。
「これを読んだあと、なんだか気持ちが楽になった」
そう思っていただけたら嬉しいです。
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは?
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、心理学者のエイレン・N・アーロン博士によって提唱された概念で、刺激に対してとても敏感で、繊細な気質という個性を持つ人のことを指します。
一方で、他人のちょっとした感情を過剰にキャッチしてしまうため、生活において精神的なストレスを受けやすい傾向があります。
医学的には、HSPさんとそうじゃない人との差には「扁桃体」という脳の部位が関わっているといわれています。不安や恐怖を感じた時に活動する部位である「脳の扁桃体」が、HSPさんは生まれつき活発に働いていることが大きな原因であるとか。つまり、HSPの人は、非HSPの人の脳とは少し違った働き方をしているのです。
このように、人一倍敏感な性質を持って生まれてくるのは、おおよそ5人に1人の割合。その割合は人間以外の動物や虫の中も同じとされ、敏感さを持つのは事前に危険を回避して生き残るための戦略と考えられています。
HSPさんの特徴|人の感情にとても左右されやすい
HSPさんの特徴の1つが、「人の感情に左右されやすい」という点です。そのため、怒りや批判などを他人から受けたときへの心の対処が苦手という人が多い傾向があります。
私も、幼少期から相手の怒りや愚痴などマイナスの感情を向けられるのが極端に苦手なタイプです。
わかりやすく言うと、たとえば普通の人なら言い返しや受け流しができる程度のマイナスな言葉でも、心にグサグサと刺さってまるで谷底に落とされたような感覚になるというイメージでしょうか。あげく人格否定をされた気分になり、その人とのやりとり自体が怖くなってしまうことも。
脳科学的にも、他人への悪口は、聞くだけでストレスとして脳へのダメージになるそうです。しかも、脳は「主語」を判断できません。
そのため、たとえば「〇〇さん、頭悪すぎてめっちゃムカつく!」という愚痴を聞いた場合、たとえ自分に言われていなくても脳は「頭悪い」「ムカつく」というワードが自分に言われたものだと認識してしまいます。
つまり、自分に関係のない悪口でも、基本的に人は聞くだけで嫌な気分になるものなのです。
自分を変える方法を探す日々…
私自身、そんな状況を変えようといろいろ検索して調べました。
ですが、出てくる意見といえば「態度に出す」「そんな話は聞きたくないと言う」などばかり。正直、これがすぐにできるなら苦労しません。
違うんですよね。
いくら愚痴を聞く時間がストレスにつながると言われても、相手の感情をいち早く察知して気遣ってしまうHSPさんにとって、相手の愚痴をハナからシャットアウトしてしまうのはそう簡単じゃありません。
どうすれば良いんだろう…
そこで思いついたのが、以下の方法です。この方法を試してからというものの、少しずつ自分の心を守れるようになりました。
自分の心も守ろう!愚痴との上手な付き合い方
HSPさんの共感力の高さは、他人との心的境界線が薄いからだといわれています。そのため、相手の感情が自分の中に流れ込みやすいのだとか。
そこで私が考えたのが、イライラしながら愚痴を話してくる相手と自分との境界線を意識して、自分の感情を引っ張られないようにすることでした。
実際に実践している具体的な方法は、以下の2つです。
・脳内に好きなBGMをかける
・相手の甘酸っぱい青春時代を想像してみる
たとえば、イライラしている先輩があなたに愚痴を存分に話してくるとしましょう。「どうすればイライラが収まるだろう」「何かしてあげなくては」という謎の使命感とともに、多くのHSPさんは聞いているうちに自分の気分もどんどん落ちてストレスまみれになってくるはずです。
そうならないよう、愚痴を聞いている間、意識して相手との心の境界線を作るのです。
脳内に好きなBGMをかける
まず1つ目は、脳内で好きなBGMをかけることです!
もちろん耳栓やイヤホンがあれば、他人の負のエネルギーに対して物理的に境界線を引くことができます。けれど、突然イライラされたり、愚痴が始まったりしたときにパッと耳栓をつけられませんよね。むしろ、負のエネルギーをぶつけてくる相手の目の前で耳栓やイヤホンをつければ、よりマイナスの展開になるのがオチです。
そこで、脳内BGMを意識的に流すことで、愚痴のマイナスな言葉が頭に入る余地を少なくして相手との心の境界線を作ってしまうのです。
もちろん好きなアーティストの音楽でも電車の音でも、何でもかまいません。ちなみに私は、シジュウカラやセグロセキレイ、クロアシアホウドリなど自分の好きな鳥の鳴き声を脳内で再生していることが多いですね。
このように、マイナスな発言にできるだけ脳内が侵食されないようにすることが、自分の心の安定にもつながります。
相手の甘酸っぱい青春時代を想像してみる
脳内BGMが難しいときは、「相手の青春時代を想像してみる」のもおすすめです。
どんなに怖い顔をしていても、どんなにキツい言葉を言ってきても、相手も人間です。
きっと恋もしてきたでしょう。
彼女にだけ見せる照れた顔もあるでしょう。
かわいいペットに向ける優しい顔もあるでしょう。
そんな、相手が今まで経験してきたであろう甘酸っぱいシチュエーションをあえて想像してみるのです。「こんなにイライラして愚痴を吐き出すこの人にも、きっと甘酸っぱい青春時代があったんだろうな」と慈悲の心で接してあげるのです。
気分は、もう仏さま。
寄り添うとは逆ですが、一步引いた気持ちで接することで心の境界線も引きやすくなるはずです。それだけでも、精神的にだいぶ楽になれますよ。
まとめ
人一倍感受性が強いHSPの人は、「気にしすぎ」「もっと強くなれよ!」と感受性そのものを否定される言葉を言われることも多いもの。ですが、感受性の強さは持って生まれた性質であり、変えられない個性です。
大切なのは、その個性をどこに向けているかということ!
自分を生きやすく、幸せにしてあげることはわがままではありません。
人一倍辛さも楽しさも感じるHSPさん。せっかくの恵まれた才能を活かすためにも、どうせなら嫌なことは避けて世の中の素敵なものに向けて使っていきましょう。