「2023年に何か新しい体験をしたいなぁ。」
そう考えていた私に、ちょうど舞い込んだ情報が月亭方正さんの独演会でした。
普段ネットで古典落語を聞いているのですが、生落語はまだ聴いたことがなくて。そんなこんなでドキドキしながら、先日初めて生の落語に触れてきたというわけです。
正直に言うと、「月亭方正さんだし、TVで観るような急に大声出す感じでネタするのかな?」と失礼なイメージを勝手にしながら……。
しかし実際行ってみると、全然違う!当初のイメージがすべて吹っ飛びました。
「月亭方正さん、めっちゃ面白いやん」
終始声を出して笑うほど楽しめました。
月亭方正ワールド炸裂!語り口が絶妙すぎる
あらためて、今回私が観に行ったのは月亭方正さんの独演会。
月亭方正さんといえば、お笑い芸人から40歳を目前にして落語に出会い、現在は落語家として歩みを進めている方です。
大晦日にお尻を叩かれていたり、プロレスラーに頬を引っぱ叩かれたりしている……
そう、あの方です。
お囃子が鳴り、まず始まったのが月亭希遊さんの「看板の一」でした。
「看板の一」とは、サイコロ賭博の話。
ベテラン賭博師の騙しテクニックを若い男が真似しようとするものの、大失敗。慣れていないことはうまくいかないという感じのオチです。
そうしてひと笑いした後に出てきたのが、月亭方正さん。
本題に入る前のオープニングトークはダウンタウンのネタで、これがまぁ面白いのなんの。
そこからスムーズに「茗荷宿」が始まりました。茗荷(みょうが)を客にどっさり食べさせて、財布を忘れさせようとする宿屋の夫婦の話です。
初めて聞いた演目でしたが、月亭方正さんの語り口がとても面白くて、寂れた宿屋や登場人物の雰囲気がびっくりするほど浮かぶんですよ。前には月亭方正さん1人しか座っていないのに、そこにもう何人もいるかのように。
続いてゲストの柳家花緑さんが「花見小僧」をした後、もう1度月亭方正さんが出て「火焔太鼓」をして独演会は終了。
瞬く間に約2時間が過ぎました。
古典落語とは?新作落語との違い
今回の独演会は、古典落語の世界でした。
落語には古典落語と新作落語と2種類あり、「古典落語」は江戸時代から語り継がれているネタで、その多くが作者不明といわれています。
一方、「新作落語」は1900年もしくは大正以降に書かれたネタで、落語家自身が作ったものも多いため、古典落語と比べてわかりやすいのが特徴です。
つまり、大きな違いは「噺が、江戸時代の暮らしや風俗をベースとしたものかどうか」。
新作落語ももちろん面白いんですが、古典落語はまるで江戸の世界にタイムスリップしたかのような時間が楽しめるのが大きな魅力といえるでしょう。
初めて聴くなら!おすすめの古典落語
初めて古典落語を聴くなら、以下の演目がおすすめです。
私は六代目三遊亭圓生さんや五代目古今亭志ん朝さんが好きですが、同じ演目でも演者によってガラッと雰囲気が変わるのも落語の面白いところ。
ぜひ自分の好きな声質やテンポを探してみてくださいね。
・時そば
・寿限無
・死神
・芝浜
・火焔太鼓
以下に簡単なあらすじを載せておきます。
時そば
蕎麦屋をなんでもかんでも褒めまくった後に、蕎麦代をうまくちょろまかす1人の男。それを見ていた別の男が、同じように真似して蕎麦代をちょろまかそうとするのだが……
寿限無
初めて授かった子どもに喜び溢れるお父さん。長生きを願い、縁起の良い言葉を込めた名前をつけたいと思いだしたら、キリが無くなって……
死神
死神に、約束を守れば金儲けさせてやると言われた借金だらけの男。男はその方法で次々と金を儲けていたが、ある日大金に目がくらんで死神との約束を破ってしまい……
芝浜
仕事もせずに酒浸りな夫が、ある日偶然に大金を拾って帰宅。真面目に仕事をしてほしいと日々願う妻は、大金は夢だったと夫に思い込ませて……
火焔太鼓
女房の尻に敷かれっぱなしの古道具屋の亭主。そんな呑気な亭主が仕入れた古い太鼓が、実はものすごい掘り出し物だった……
落語をすぐに聴ける配信サービス
「今すぐ落語を聴いてみたい!」という方は、U-NEXTやaudiobookで聴けるのでぜひチェックしてみてください。
U-NEXT 柳家権太楼 「芝浜」
U-NEXTでは、柳家権太楼さんの「芝浜」を聴くことができます。
上方落語会の爆笑王と呼ばれる柳家権太楼さんらしく、座布団の上でダイナミックな演技や独特な語り口に、いつの間にかグイグイと世界に引き込まれてしまうでしょう。
「芝浜」は、話す落語家の分だけ種類があるともいわれますが、柳家権太楼さんの「芝浜」は本当に人情味が溢れる一席となっています。
U-NEXTは月額定額制の動画配信サービスですが、最初の31日間は無料で楽しめます!
U-NEXTの31日間の無料体験はこちら!audiobook 五代目三遊亭圓楽
audiobookでは、五代目三遊亭圓楽さんの「死神」を聴くことができます。
五代目三遊亭圓楽さんらしいコミカルさと日本的なホラーが共存していて、さらに聴き心地の良い声が笑いを誘います。
五代目三遊亭圓楽さんは笑点の大喜利コーナーの名司会者としても有名ですね。
audiobookは、1冊ごとの購入だけでなく、定額の聴き放題サービスも利用できます。聴き放題サービスは5月9日まで2ヶ月無料でお試しできます!
日本最大級!オーディオブックの無料体験はこちら!落語鑑賞なら寄席がおすすめ
「落語を聴いたけど、生で体験したいな」
こんな方にぴったりなのが、寄席です。例えば、以下のような場所があります。
・浅草演芸ホール
・新宿末廣亭
・池袋演芸場
・天満天神繁昌亭
・動楽亭
・喜楽館
また、関西の西宮では、住宅街のビルで週1回開かれる西宮えびす亭といった寄席も。ほかに、蕎麦屋や居酒屋で開かれる場合もあるようです。
やっぱり落語は面白い!
初めて生で落語を聴きましたが、素敵な空間でした。
出囃子のワクワク感とともに演者のセンスでぐんぐんと世界が広がる落語は、古くから親しまれているだけあって、コントや漫才、映画とはひと味違った面白さがあります。
というか、古臭いとか感じる間もなく声を出して笑ってしまうんですよね。
本当にプロの話芸は凄いです!
2,000〜3,000円ほどで入れる寄席が多いので、時間のあるときなどに1度足を運んでみてはいかがでしょうか。