街中を車で走っていると、たまにいる。
ウインカーを出さずに、スッと入ってくる車。
いや、出そうよ。
こっちは普通に走っているだけなのだ。
あなたが曲がるのか、車線変更するのか、私はまだ知らない。
せめて合図くらいは欲しい。
「危ないやん、もう少し周りを見てや」
いや、待てよ。
もしかして、この人お腹を壊しているんじゃ……?
急にお腹が痛くなって、一刻も早くトイレに駆け込みたいのかもしれない。
決壊まで秒読みだとしたら、もはや緊急車両である。
そう考えた途端、なんだか妙に落ち着いた。
——ああ、それなら大変だ。ほなちょっと大目に見るか。
「頑張れ、たぶんあと少しや」


