洗濯物をたたんでいると、たまに不思議なことがある。
靴下が片っぽしかないのだ。
右があると左がない。左があると右がない。
両方ないなら、まだわかる。
どこかにひっかかったのか、洗濯機の裏にでも落ちたのか、そう思って諦めもつく。
ところが、片方だけはある。
……おかしい。
困ったもんである。
人間だって、「この人と別れて、次は」と簡単にはいかない。
靴下だってそうだろう。
いくら立派な靴下でも、同じ柄のあいつじゃなければ調子が出ない。
悠々自適な一人暮らしをスタートさせたいわけじゃないだろうに。
どこぞへ行った相棒に、たまにはひと声かけてやってくれないだろうか。
「おーい、俺はこっちにいるぞ」と。
私の引き出しには、今日も片方だけになった靴下がしまってある。

