八幡山城跡を歩く!夢中になって、散策30分が2時間半になった話

お出かけエッセイ

先日滋賀県近江八幡市にある八幡山城跡へ行ってきた。

お目当ては、豊臣秀次が築いた山城と、その麓に広がる城下町。

石垣に絶景、そして秀次の波乱万丈な人生。歴史好きの心をくすぐる要素が盛りだくさんである。

ああもう、行く前から興奮が止まらない!!

そんな八幡山城に、いざ出陣。

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ロープウェーで山上へ

八幡山城へはロープウェーで向かう。乗車時間は約4分。

登山そのものが目的でなければ、ありがたく文明の利器に頼るのが最善だ。

こちらには石垣を観察するという、たいへん重要な任務があるのだから。

—ここで八幡山城について、簡単におさらい—

築城したのは豊臣秀次。豊臣秀吉の姉・とも(瑞龍院日秀)の子であり、秀吉の後継者候補でもあった人物だ。

天正13年(1585年)に築城された八幡山城。しかし、秀次は文禄4年(1595年)、謀反の疑いをかけられて高野山で切腹。城も築城からわずか10年ほどで廃城となった。

——なんとも短い城生である。

せっかく立派な城と城下町を整備したのに、あまりにもあっけない。

城にしても、まだまだ働き盛りだっただろうに。

歴史の無情さを感じずにはいられない。

そんな秀次の夢の跡を、いざ歩いていこう。

見どころ①:西の丸跡からの絶景に感動

山上駅から歩き、まずは西の丸へ。

西の丸跡からは、近江平野と琵琶湖を一望できる。

気持ちいい!!

広がる水田、その向こうに琵琶湖。視界が一気に開けるこの感じ、山城巡りのご褒美である。

近江は古くから陸上交通と水上交通の要衝だった。こうして見渡すと、ここに城を築いた理由もなんとなく分かる。

人や物の流れを見渡せるうえに、領国を治めるにも都合がよさそうだ。

……なるほど、戦国武将としては実に理にかなった場所である。

一方、私はというと領国を治めるどころか、さっきから石垣で頭がいっぱいだったけれども。

見どころ②:城跡に残る、築城時代の面影

八幡山城跡の見どころといえば、やはり石垣!

見てください、この石垣たちを!

豪雨や台風を乗り越え、今も残る石垣。自然石を生かして積み上げた石には苔がむし、隙間から木々が伸びている。

——もうたまらん。(本当はもっと写真撮ったけど、この辺で)

石を積んだ人々が去り、城が廃され、何百年もの時間が流れた。その間も、この石垣はここにあったのだ。

さらに、石垣に使われているのは主に湖東流紋岩。面白いことに、城が築かれた八幡山自体も、湖東流紋岩類を主体とする山なのである。

つまり、この石垣を眺めることは、近江の大地の歴史を眺めることでもあるのだ。

いや石垣というのは本当に奥が深い。

……と、ここで思い出すのが安土城!

八幡山城から安土城跡まで、約5km。北の丸跡(写真)からも安土城址を望むことができる。

——近い、思った以上に近い!

秀吉が安土城をそのまま使い続けず、八幡山城を築いた背景には、新たな天下人としての政治的な意味を読み取る見方もあるとか。

信長から秀吉へ。

権力の中心が移り変わる様子を、城の位置関係から考えられるのも面白い。矢穴のないものは、安土城から運ばれた石材なのかもしれない。

こういう発見があるから、城巡りはやめられないのだ。

……などと夢中になっていた結果。

散策コースは一周約30分なのに、本丸跡前で滞在時間はすでに約1時間30分。

予定の3倍!

まだ一周すら終わっていないのに。

もはや観光というより、石垣との対話である。

石垣側からすれば、知らない人がずっと自分を見つめているわけで、「なんやこいつ」と少々困惑していたかもしれない。

見どころ③:本丸跡に建つ村雲御所瑞龍寺

石垣を堪能したあとは、本丸跡へ。

現在、本丸跡には村雲御所瑞龍寺門跡が建っている。

瑞龍寺は、秀次の母・瑞龍院日秀が、息子の菩提を弔うため京都の村雲に創建した寺院だ。昭和36年(1961年)、現在の場所へ移された。

秀次が築いた城。その本丸跡、権力の中心だった場所が、今は祈りの場所になっている。

——なんとも胸に刺さる話である。

築城した本人は、完成した城でどんな未来を思い描いていたのだろう。

そう思うと、先ほどまで夢中で眺めていた石垣も、少し違って見えてくる。

ちなみに可愛い猫ちゃんもいましたよ!

山を下りたあとは、八幡堀へ。

ロープウェーから降りて、参道を抜ければ、八幡堀はすぐそこである。

八幡堀は、城を守るための堀であると同時に、人や物資を運ぶ水運でもあった。そして山上に城が廃されたあとも、町は生き続けた。

つまり、秀次は城だけではなく、町の呼吸までも整えたのだ。

ちなみに近江八幡は、寝具で有名なあの「西川」の創業の地であり、八幡堀沿いには西川甚五郎邸(西川甚五郎本店)も建っている。

邸宅は建物約200坪、庭を含めると約700坪という広大な敷地を持つそう。

私は時間の都合で見学できなかったが、興味のある方はぜひ立ち寄ってみてはいかがだろうか。

【まとめ】わずか10年で幕を閉じた八幡山城

八幡山城跡は、絶景あり、石垣あり、歴史ロマンありの、実に楽しい城跡だった。

城は消え、天守も櫓もないが、山を下りれば、かつての城下町を支えた八幡堀がある。八幡山城跡を訪れるなら、ぜひ八幡堀までセットで楽しんでほしい。

近江八幡をじっくり巡るなら、宿泊してのんびり観光するのもおすすめだ。

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ちなみに、約30分の散策コースに結局約2時間半かけた私からの忠告である。

歴史、そして石垣好きの皆さま。どうか時間には余裕を持ってお出かけください!

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