雨があがった。道端には大きな水たまりがある。
水たまりに空が映っていると、なぜか見てしまうのは昔からの癖だ。
そこには、大きな空の一部分を切り取った、私しか見えていない空の景色がある。
広いんだけれど、狭い、この景色。
まるで独り占めしているような気分になる。
自分だけの空だ。
乾けば、さっきまであった景色は消えてしまう。2度と戻らないし、ずっと閉じ込めることもできない。
そう思うと、もう少しだけ眺めていたくなる。
これもカルペ・ディエムというやつだろうか。
こんなふうに水たまりとじゃれる時間も、たまにはいい。
とはいえ、じっと見続けると通りすがりの人に不思議がられそうだ。
足元の空を踏まないように、そっと避けて歩き出した。

