前編では「100%海水の堀」や天守台を紹介したが、高松城の凄さはまだまだ終わらない。
後編では、いよいよ月見櫓・水手御門、披雲閣の登場だ。わーい!
見どころ④:月見櫓と水手御門の存在
高松城に来たなら、北の丸の最北端にある「月見櫓」と「水手御門」も欠かせない。

ここはその名の通り、かつての殿様がじっくり月を愛でるための場所……
かと思いきや、実は月見櫓の本来の名称は、「到着を見る」という意味の「着見櫓(つきみやぐら)」だったとか。
すぐ脇の「水手御門」が海に向かって開いているのもそのためだ。この櫓には、参勤交代から船で帰ってくる藩主の姿を、「お帰りになられたぞ!」といち早く見つけるという大役があったのである。
さらに近づいてくる不審な船を見張る、ガチガチの監視塔でもあったそう。
それもそのはず。
高松藩主の松平頼重がこの地に配置された際、将軍から「西国諸藩の目付(監視役)」としての役割を託されたとも言われているのだ(櫓は頼重と頼常の二代に渡って完成)。
まさに瀬戸内海の掌握と、西国支配の要としての重大なミッションを背負った城だったのである。
———綺麗な名前の裏に隠された、このバイオレンスな臨戦態勢のギャップ。
櫓を見上げながら、私の中の歴史オタクの胸は高鳴るばかりだ!

———ちなみに、写真奥に見えるは「報時鐘(ほうじしょう)」という鐘楼で、内部には高松藩主の松平頼重が作らせた江戸時代の銅鐘(実物)がある。余裕があれば、ぜひこちらもセットで見てほしい。
見どころ⑤:圧倒的な風格・披雲閣(ひうんかく)
最後におすすめしたいのが、広大な庭園の中にどっしりと佇む「披雲閣」。

大正時代に高松松平家の別邸として建てられたというこの巨大な邸宅。
今回は中に入れなかったが、 大正時代の壮麗な姿をほぼ完璧に留めているその風格に、外から眺めるだけでも気圧された。
これほど立派な純和風建築を維持するなんて、一体どれほどの労力(とお金)がかかっているのだろう。脳がフリーズしそうだ!
実はこの超ゴージャスな披雲閣、ただの歴史的建造物ではない。
なんと戦後の一時期、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に接収され、米軍の宿舎として使われていたという凄まじい過去があるのだ!
しかも実は、「伝統建築だから、勝手に内装を改造するのは絶対NG。ただし、生活衛生に関わる最低限の設備(トイレや風呂など)の改修だけは認める」という、厳格な約束のもとで接収されていたらしい。
———それにしても、である。
戦争に負けたあの絶望的な状況下で、「内装変更はNG」なんて強気な条件をGHQに飲ませた当時の日本側の担当者たち、凄すぎる。
「この文化だけは絶対に明け渡さない」と一歩も引かなかった役人たちのプライドには、背筋がヒリヒリするような感動を覚えてしまう。

お偉い米軍幹部や政府関係者たちも、この見事な庭を眺めながら故郷を思い、コーラでも飲んでいたのだろう。

ちなみに、庭園内の飛石や軒先にある沓脱石(くつぬぎいし)をよく見ると、大型の花崗岩が使用されていた。施主と職人のこだわりがこんな足元にまで……。
【まとめ】一度来ればハマる、高松城の「沼」
紹介しきれなかった見どころもまだまだあるので、みなさんもぜひ香川へ、そして高松城をその目で見てみてほしい。
高松城は、瀬戸内海のすぐ近くに建っており、高松琴平電気鉄道(ことでん)の「高松築港駅」から徒歩1分。JR高松駅の正面口から広場をまっすぐ歩いても3分ほどの場所だ。
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内なる歴史オタクの血を滾らせて、鯛や天守台に大興奮した前編はこちら。



