公園を散歩中、ふと足元を見ると、そこにはてんとう虫。
あぶないあぶない。
虫が苦手な私でさえ、てんとう虫となると「あら、可愛いね」なんて、つい愛でてしまう。
ほかの虫なら、見なかったことにして通り過ぎるところである。ずいぶんな差だ。
てんとう虫は「幸運のシンボル」といわれている。
体に止まると幸せが訪れるとか、病気や悩みをどこかへ持っていってくれるとか。ずいぶんありがたい虫だ。
ところで、てんとう虫の「てんとう」とは何なのだろう。
天頭? 点灯? 点十?
……どれも違う気がする。
観念して調べてみると、「天道虫」と書くらしい。
お天道さまの天道である。
枝や葉の先まで登り、行き場がなくなると空へ飛び立つ。
その姿が、まるでお天道さまに向かっていくように見えたことから、この名がついたという。
うーん、洒落た名前の付け方をするなあ。
しかも、アブラムシを食べて農作物を守ってくれる。そりゃあ大事にされるわけだ。
……ここでふと、別の疑問が浮かんだ。
てんとう虫はなぜ、あんなに目立つ格好をしているのだろう。
赤に黒い斑点。なかなか派手である。歌舞伎役者も顔負けだ。
もう少し地味にしておけば、敵にも見つかりにくいだろうに。
どうやら、あの目立つ色は「警告色」というものらしい。
「自分に近寄ったらやばいで!」と、わざわざ敵に知らせているのだ。
隠れるどころか、堂々と目立つことを選ぶなんて……
見た目に反してなかなかに強気である。
次に出会ったときも踏まないように気をつけよう。
うっかり踏んでしまっては、幸運どころかバチが当たりそうだ。


