皆さんは毎日の疲れを、どのように解消されていますか?
ストレス社会などという、もはや使い古された言葉を持ち出すまでもなく、現代を生きる私たちの心と体は、常に「今すぐ布団にダイブしたい」という切実な悲鳴を上げているものです。
そんなとき、私はおもむろに台所に立ち、自宅でせっせとお茶を点てて飲むのですが、これがなんとも美味しくて、五臓六腑にしみ渡るのです。
「お茶を点てる」なんて言うと、高尚なお作法が必要そうでハードルが高く感じるかもしれません。
ですが、私がおすすめしたいのは修行ではなく、あくまで日常の「美味しい現実逃避」です。茶道のルールを知らなくても、必要最低限のものがあれば、ジャージ姿のままで気軽に楽しむことができます。
そんなわけで今回は、誰でも簡単に楽しめる抹茶の点て方や、ここだけ押さえれば絶対に美味しくなるポイントをご紹介します。
そもそも抹茶って何?「薄茶」と「濃茶」の違い
そもそも私たちがよく目にする抹茶といえば、基本的には「薄茶(うすちゃ)」のことです。
観光地の甘味処で、お団子の横にちょこんと佇んでいるあの緑色のお茶ですね。今回ご紹介するのも、あのサラリとした薄茶の点て方です。
ただ、実は抹茶の世界には、隠されたもう1つの姿がありまして……。
それが、「濃茶(こいちゃ)」です。
文字通り、薄茶の2倍もの抹茶を容赦なく投入する濃厚な世界。あまりの濃さにお湯でサラサラ混ぜることはできず、もはや「点てる」ではなく「練る」というドロリとした領域に突入します。
ここで1点、切実な注意点があります。
薄茶用のリーズナブルな抹茶でこの濃茶を錬成してしまうと、凄まじい苦味が生まれ、完全に味がきつくなります。抹茶をお店で選ぶときは、どうかお気をつけくださいね。
四の五の言わずにこれだけ揃える!おうち抹茶の三種の神器

抹茶を気軽に家で楽しむなら、まずは四の五の言わずに「必要最低限の道具」だけを揃えましょう。
- 抹茶の粉
- 茶筅(ちゃせん)
- 茶碗(カフェオレボウルでも代用OK!)
他にもあれば便利な道具はありますが、この3種の神器さえあれば、リビングが瞬時にお茶室に早変わりします。
抹茶の粉
お茶屋さんはもちろん、最近はスーパーのお茶コーナーでもよく見かけます。
安いものなら30gで500円前後とお財布に優しい価格です。私も最初はスーパーの抹茶から恐る恐る挑戦しました。
買うときは、よく似た「粉末緑茶」をうっかりカゴに入れないようご注意くださいね。
茶筅(ちゃせん)
抹茶を点てる上で、最も命となるのがこの竹のシャカシャカ「茶筅」です。
穂の数によって値段が変わるのですが、穂が多いほどクリーミーできめ細かい泡が簡単に立ちます。
初めての方は、初心者救済スペックである「八十本立」か「百本立」を選んでおけば間違いありません。2,000円〜3,000円ほどで手に入ります。
普段使いに私が全力でおすすめしたいのが、こちらの心強い味方です。
100本立ての茶筅なら、初心者でもテクニックいらずで驚くほどきれいに泡立ちます。
さらにこのセット、使い終わったあとに穂先がボサボサになるのを防ぐ「くせ直し(スタンド)」がついているのが最高にありがたいところ。
これに挿しておくだけで、ズボラな私でも楽に形をキープできて本当に便利です。
茶碗
抹茶を点てるとき、どのような茶碗を使うかという点も、実はとても大切なポイントの1つです。
普段私たちがご飯をよそうお茶碗は、表面がツルツルと滑らかなものが多く、茶筅が滑ってうまく混ざらなかったり、底が浅くてお湯が飛び散ったりと、抹茶を点てるのにはあまり適していません。
そのため、初心者の方こそ、やはり抹茶専用の「抹茶茶碗」を用意することをおすすめします。
「そうは言われても、どれが良いのかさっぱりわからない」と迷子になってしまう方には、以下のフルコンプリートなセットがおすすめです。
お財布に優しいお手頃価格なうえ、抹茶茶碗から茶筅、お茶の粉まで必要な道具がすべて揃っています。
届いたその日にすぐ、おうちで本格的なお茶の時間を楽しむことができますよ♪
いざ、点てん!絶対に失敗しない抹茶の点て方
スタートに必要な道具が揃ったら、いよいよ主役である「点てる」工程の幕開けです。
歴史ある茶道の作法や流派は、もちろんそれ自体が本当に素晴らしいものですが、自宅のリビングで楽しむときは、そうした難しいことは一旦そっと置いておいておきましょう。
基本のステップは、驚くほどシンプルです。
- 茶碗に抹茶の粉を入れる
- お湯を入れる
- 抹茶を点てる
最初は「カプチーノみたいな泡にならない……」と絶望するかもしれませんが、ちょっとしたコツさえ掴めば、すぐに誰でもふんわりクリーミーな泡を生み出せるようになります。
さあ、詳しく見ていきましょう。
1.茶碗に抹茶の粉を入れる
まずは用意したお茶碗に、抹茶の粉を投入します。
1杯に必要な量は2gほど。ティースプーンに軽く1杯くらいの、実にささやかな量で十分です。
2.お湯を入れる
次に、80℃くらいのお湯を注ぎます。
ここでがっつり沸騰した100℃のお湯を注いでしまうと、抹茶の繊細な風味が損なわれてしまうので、お湯が沸ききる一歩手前で火を止めるのが最大のポイントです。
量は、3口半で優雅に飲みきれるくらいの約70ml。あの「ヤクルト(65cc)」よりほんの少し多いくらい、と脳内にイメージしておくと失敗しません。
3.抹茶を点てる
さあ、いよいよお楽しみのシャカシャカタイムです。片手でお茶碗を優しくホールドし、もう片方の手で茶筅を握りましょう。
最初はゆっくり馴染ませ、そこから手首のスナップをきかせて「1」や「m」を描くように前後にガシガシと直線的に動かします。
円を描くように回すと泡立たないので要注意。また、粉がダマになりやすい時は、あらかじめ茶漉しでサッと通しておくと驚くほどなめらかに溶けますよ。
全体に細かい泡が立ったら、仕上げにひらがなの「の」を描くように茶筅をそっと持ち上げて完成です。
毎日の一服を支える、頼もしき高コスパな抹茶3選
道具とコツが分かったところで、最後に「毎日ガブガブ飲みやすい、かつ美味しい抹茶の粉」を3つ厳選しました。
スーパーの粉からステップアップしたい方は、この中から選べば間違いありません。
祇園辻利 「庵の友」
粒子が驚くほど細かく、初心者でもプロ級の細かい泡が立ちます。苦味が少なく、茶葉本来のほのかな甘みとまろやかな旨味が余韻として残る、すっきり上品な優等生です。
一保堂茶舗「幾世の昔」
京都の老舗が放つデイリー用。口に含んだ瞬間にまろやかな旨味と深いコクが押し寄せ、「私はいま、お茶を点てているのだ」という濃厚な充足感に包まれます。尖った苦味がなく、和菓子はもちろん、チョコレートにも相性抜群!
伊藤久右衛門「清寿の森」
「すっきり爽やかな後味」が特徴で、他の2つに比べると風味のクセが少なく、さらりと喉を通り抜けていきます。カツカツになった心をふっと緩める、大人の気分転換に寄り添ってくれる一杯です。
【まとめ】お作法に囚われず、美味しい余白を愛おしむ時間
今回は、おうちで気軽に楽しむ抹茶の世界についてご紹介しました。
「抹茶」と聞くと、つい「敷居が高いもの」と身構えてしまうものです。ですが、抹茶を点てて頂くということは、本来はただ、バタバタした日常の中でゆっくり流れる時間を愛おしむための、素敵なツールのひとつに過ぎません。
お作法という名の小難しいルールに囚われすぎる必要は一切なし!モーマンタイ!
お気に入りのスイーツを隣に添えて、自分だけの「極上の癒やしの時間」をのんびり味わってみてはいかがでしょうか。


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